レインボーブレッドを作ろう!
『その他』でも恒例となった「Key作品内のヘンテコ食品を作ろう」シリーズ(いま命名)。
今回は『CLANNAD』内に登場するレインボーブレッドを作ってみようと思う。
〔レインボーブレッド……CLANNADのヒロインである古河渚の母、古河早苗が開発したパン。
名前通り虹色をしていて、なんか凄い味らしい。改良型にネオ・レインボーパンがある〕
やるからにはやはり完璧を目指したいが、例によって致命的に情報が少ない。
それに「物凄い味」らしいが、謎ジャムの前例もあるのであまり味に関してはいじりたくたい。
という訳で今回は、虹色という外見の再現のみを追求してみる。
作中でのレインボーブレッドを見た人々の反応を参考に、「えげつない位のレインボー」がコンセプト。
では制作。俺に……レインボー。
1.ボウルに砂糖と塩を入れ、水で溶かす
2.そこにふるった強力粉+ドライイーストを入れ、卵と牛乳を入れながら混ぜる
この辺りの作業は慣れているので手際よく進行。
……「食」を侮辱するようなゲテモノばかり作って、その結果料理の腕が上達しているのだから皮肉である。
3.なじんできたらクリーム状にしたバターを入れ、再びなじむまで混ぜる
4.一塊になってきたら台(テーブルやまな板等)の上に出し、捏ねる
この際に、パン作りで定番の「生地を叩きつける」というヤツをやる訳である。
本によると200回以上叩きつけるとか。……別に辛くはないが、叩きつける音が五月蝿いぞ。
最初は生地が手や台にベタついてしまったが、やってるうちにそういう事もなくなってきた。
生地を伸ばしてみて、指が透けるほどになったらOKだそうだ。
―――で、本来ならこの生地(料理用語でタネと言うらしい)を発酵にまわす訳だが、当方が作るのは普通のパンではない。レインボーBである。
いろいろ思案した結果、着色のタイミングはここしかないと判断。
EX1.タネを7つに分ける
(写真には6つしか写ってないが、ちゃんと7つにしました)
この分けたタネ1つに一色をつけ、全部で7色にするのである。
そして今回メインとなる品は……食用色素!
―――一般に「食紅」と呼ばれるもので、菓子などの着色に使用される。正に今回の企画にうってつけの品である。
写真の赤・青・黄の三色を組み合わせて虹色を作るのだ。
EX2.タネに食用色素を練りこみ、着色
例によって食用色素を使うのは初めてだが、とりあえず多めに使用する。発酵して膨らむと色が薄くなる可能性があるからだ。
虹の7色は赤・橙・黄・緑・青・藍・紫。
青と藍の区別は難しいところだが、今回は青で薄く着色したものを青、濃く着色したものを藍と定義する。
……色が均一になるまで練りこむのは予想以上に時間がかかり、結局1時間近くを要した。
余談だが、橙に少量の青が混ざってしまい、茶色っぽい汚い色になってしまったのが悔やまれる。
EX3.7つのタネを1つにまとめる
ただ「7色ある」のではなく、ちゃんと「虹に見える」よう、慎重につなげていく。
これで着色作業は完了である。
5.耐熱ボウルに油を薄く塗り、タネを入れる。その上にラップをして発酵させる(一次発酵)
手元に耐熱ボウルがなかったので炊飯ジャーの釜で代用。たぶん大丈夫だろう。
オーブンに発酵機能がついていたのでそれを使用する。
〜〜〜〜〜〜50分後〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
えげつないにも程がある!!!
まだ一次発酵が済んだばかりで完成はしていないが、これをパンだとは認めたくない。恐るべし食用色素。
表面のつやつや加減が気持ち悪さを更にヒートアップ。
視覚的インパクトはトップクラスではなかろうか。(何の)
6.タネを軽く押しつぶしてガス抜きをした後、ラップをかけて10分間休ませる
ガス抜きの際は軽く捏ねるらしいが、虹が崩れてしまうと困るので押しつぶすだけに留める。
一次発酵済みのタネはものすごく軟らかい。持っているだけで隙間からこぼれていきそうな位なので作業は慎重に。
7.オーブンの天板に油を薄く塗り、40分間発酵(二次発酵)
オーブンの中に水分が十分にないと発酵が失敗するらしいので、オーブン内部に霧吹きでくどいくらい水をばら撒く。
8.180℃に温めたオーブンで12〜17分焼く
15分ほど焼いて、完成。
……どうもガス抜きをやりすぎてしまったらしく、固めになってしまった。
まさしくレインボー!
焼いた所為で最初ほどのインパクトは無くなったものの、相変わらずグレイトな見た目である。
パンより紙粘土細工と言った方がよほど納得できる。
(断面。中まできっちりレインボー)
さっそく友人達に振舞ってみる。
「……安全なの?コレ」
「……味は普通なはずなんだけど、何故かおいしくない気がする。つか納得いかない」
「味と食感は、小学校の時の給食のパンみたい」
「不味くはないけどもう食いたくない」
……何だかんだ言って完食してくれたのは嬉しい限り。
(これがパン屑であると、誰が信じてくれるだろう?)
―――味は無調整なので、その点では安心して振舞える一品だった。
制作時間4時間とかなり手間はかかるが、いちど作ってみるのも一興かも知れない。
結論!
食用色素の所為で、翌日の便の色がグリーンになりました。
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